雑記帳
思い出すこと
今年も酷暑続きの夏でしたね。
先週から漸く秋めいてきて、ほっとしています。
という事で、詩も秋を想うものにしました。
「風猫」は、2018年に出版した『いのちのひかり』(たんぽぽ出版)からの作品です。
この詩集の編集者は、水内喜久雄様。
[500詩文庫 夢ぽけっと]シリーズの17番目として編んでいただきました。
水内様には、2005年~2018年の間、『みんなの詩集 夢ぽけっと』でお世話になりました。
今は終刊となってしまいましたが、ポケットサイズの可愛い詩集です。
4シーズンに2編ずつ(編集の立場を想像すると、大変な労力)提出し、毎回きっちり発刊してくださるのですが、作品を提出するかどうかは、自由。
仕事や子育てに忙しい時期には有難く、どなたの作品も大切に扱ってくださるので、安心して参加できました。
毎回お題もあったので、詩の道場だと個人的には思っていました。
しかし、販売目的の詩集作りとなると、話は別。多くの素晴らしい詩集を出版されているプロの編集者様です。私ごときが厚かましい、と思い躊躇したのですが、断られることを覚悟でお願いをしました。
そして、光栄なことにお引き受けしてくださったのです。
第3詩集の制作がスタートしました。
内容は、猫と空想植物の2章立て。ファンタジー多めの詩を意識しました。
予定通りに作品をつくっていきます。
順調だと思っていました。
ところが、詩集のタイトル(いのちのひかり)が決まってから、気づいたのです。
(因みにこのタイトルは、「うまれた」という猫の誕生をうたった詩の一節からとられたものだと思います。)
発表できる作品を数えてみると、なんと7~8篇ほど足りないではありませんか。
え、そんなはずは!?と思ったのですが、何度数えてもないのです。私のミスでした。
締め切りは1か月後です。出来る? 間に合う?
不安に負けそうになりながら机に向かい、なんとか作品を揃えました。
途端にインフルエンザにかかりダウン。
ですが、それ以上に大変だったのは、編集者様です。
助詞など気になる箇所があると、連絡して変更してもらうのですが、1度や2度ではありません。その都度、厭なお顔ひとつされず(電話の向こうでの想像)、私の我儘に付き合ってくださったのです。その事は、何年経っても、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
良い物をつくりたいという思いは同じで、この詩集を通して得たことは、とても大きかったと思います。
本当にお世話になりました。
心苦しいけれど、懐かしく貴重な思い出です。
今でも詩を書かれている方は大勢いるようです。
若い人の発想はいいですね。形にとらわれず、SNSやYou Tubeを利用して、自由にのびのび発信しています。
模索しながらも独自の方法を見つけ発表されている姿は眩しく、見習うことは山ほどあります。
クリーンでニュートラル、寛容な詩の世界が広がっていくといいなと思います。